いちばん先にお伝えしたいこと

猫背矯正のご相談で、「何回くらい通えばいいですか」と聞かれることはとても多いです。当然のご質問だと思います。時間もお金もかかることですから、見通しが立たないままではご不安ですよね。

そのうえで正直に申し上げます。当院では「◯回で変わります」というお約束をしていません。

理由はひとつです。姿勢は、毎日の積み重ねでできあがっているからです。長い時間をかけてつくられてきたクセを整えていく作業なので、その方がどんな一日を過ごしているかによって、変化の速さはどうしても変わります。同じ「猫背が気になる」というご相談でも、背景はお一人ずつ違います。それを見ないまま回数だけを先に決めてしまうのは、当院の考え方に合いません。

猫背を整えていく道のりそのものについては「猫背はコツコツ整えられる|はじめの一歩は「自分を知ること」」でもお話ししています。

とはいえ、「人それぞれです」で終わってしまっては、判断のしようがありませんよね。そこで回数の代わりに、変化をどう感じていくのか(段階)その速さを左右するもの間隔の考え方という3つの角度から、できるだけ具体的にご説明します。

変化の「感じ方」には段階がある

お身体の変化は、ある日いきなり訪れるものではありません。多くの方が、次のような段階をたどっていかれます。

第1段階:施術の直後に、軽くなった感じがする

「肩がスッとした」「呼吸がしやすい」「視界が広く感じる」。最初に感じていただきやすいのはこのあたりです。ただし、この軽さはまだ長続きしないことがほとんどです。数時間で戻った感じがしても、それは自然なことなので、がっかりなさらないでください。ここはまだ入口です。

第2段階:楽な状態が続く日数がのびてくる

ここがいちばん分かりやすい目印です。以前は翌日には戻っていた感じが、2日、3日ともつようになってくる。「そういえば今週はあまりつらくなかった」と気づく。回数よりも、この"続く日数"の変化のほうが、ご自身の実感に近いはずです

第3段階:気がつくと、元の姿勢に戻りにくくなっている

意識していないときの立ち姿や座り方が変わってくる段階です。ご家族や職場の方に「姿勢変わった?」と言われて初めて気づく方もいらっしゃいます。ここまで来ると、日常のなかで維持しやすい状態になっていきます。

この3つは、多くの方がこの順番でたどっていかれます。ただし「何回目でこの段階」という決まりはありません。第2段階までがゆっくりな方もいれば、思ったより早く感じられる方もいらっしゃいます。ご自身の姿勢のタイプによっても進み方は変わりますので、あわせて「あなたの姿勢はどのタイプ?代表的な悪い姿勢3タイプ」もご覧いただくと、今の状態を整理しやすくなります。

変化の速さを左右する4つのこと

「人それぞれ」と申し上げましたが、その"それぞれ"を分けているものは、ある程度はっきりしています。主に次の4つです。

  • 1. お困りの状態が続いていた期間
    気になり始めてから数ヶ月の方と、10年以上つき合ってこられた方とでは、体に染みついたクセの深さが違います。長い方ほど、ゆっくり進むことが多いです。
  • 2. 一日の過ごし方
    デスクワークの時間、スマホを見る姿勢、立ち仕事か座り仕事か。施術を受けている時間より、それ以外の時間のほうが圧倒的に長いのが実際のところです。
  • 3. 睡眠と休息のとり方
    体が整うのは休んでいる間です。睡眠が浅い日が続いていると、変化を感じにくくなりやすい傾向があります。枕やマットレスが合っているかも影響します。
  • 4. セルフケアを続けられるか
    難しいことをする必要はありません。ただ、無理のない範囲で続けられている方は、楽な状態が続く日数がのびやすいと感じています。

この4つのうち、施術で直接お手伝いできるのは一部です。だからこそ当院では、施術と同じくらい過ごし方のご相談に時間をかけています。姿勢が何によってつくられているのかは「姿勢は筋肉だけで決まらない?姿勢をつくる4つの要素」で詳しくご説明しています。

※ この記事でご紹介している内容は、姿勢のお悩みに対する一般的な考え方と、当院での取り組み方をお伝えするものです。症状を診断するものでも、医療行為に代わるものでもありません。痛みやしびれが強い場合、じっとしていてもつらい場合、手足に力が入りにくい場合などは、まず整形外科などの医療機関にご相談ください。

通う間隔の考え方

「何回」と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「どのくらいの間隔で」です。こちらのほうが、実は考えやすいかもしれません。

間隔が空きすぎると、戻ったところからのやり直しになりやすい

先ほどの第2段階を思い出してください。楽な状態が続く日数が少しずつのびていく段階です。ここで間隔が大きく空いてしまうと、せっかくのびかけた状態が元に戻り、また同じところから積み直すことになりやすいのです。せっかくの時間がもったいない、というのが正直なところです。

かといって、詰めて通う必要もありません

短い間隔で何度もお越しいただけば早く進む、というものでもありません。体が新しい状態に慣れていくには、日常のなかで過ごす時間そのものが必要だからです。ご予定もご予算もありますし、通うこと自体がご負担になってしまっては本末転倒です。

だから、間隔はご一緒に決めます

当院では、その日のお身体の状態を確認したうえで「今の状態でしたら、このくらいを目安にされるとよさそうです」とお伝えしています。これはご説明であって、ご予約のお願いではありません。お仕事の忙しさもご事情も、その方にしか分からないことです。

通うかどうか、いつ来るかを決めるのは、いつでもあなたです。ご自身の生活に合う間隔を、ご一緒に決めています。

当院での変化の確かめ方

ここまで「変化を感じる」というお話をしてきましたが、実は感覚だけを頼りにすると、変化は分かりにくいものです。人は今の状態にすぐ慣れてしまうので、楽になったことを忘れてしまうのですね。「あまり変わっていない気がする」とおっしゃる方が、実はしっかり変わっていた、ということが少なくありません。

そこで当院では、初回に姿勢分析で今の姿勢を写真におさめ、ご一緒に画面を見ながら確認します。そして施術のたびに写真を記録して、前回と見比べられるようにしています。数値での再分析は、ご希望に応じて承っています。

「気のせいかな」で終わらせず、目で見て確かめられること。これは、通う間隔をご自身で判断していただくうえでも、手がかりになると考えています。

※ 姿勢分析は姿勢の傾向を把握するための参考ツールです。医療的な診断や疾患の特定を行うものではありません。施術方針は院長が直接お体を診た上で総合的に判断します。

まとめ

「何回くらい通えばいいか」への、当院からのお答えを整理します。

  • 姿勢は毎日の積み重ねでできているため、「◯回で変わります」というお約束はしていない
  • 変化には段階がある。①施術直後の軽さ →②楽な状態が続く日数がのびる →③元に戻りにくくなる
  • とくに②の「続く日数」は、ご自身でいちばん実感しやすい目印
  • 変化の速さを左右するのは、お困りの期間・一日の過ごし方・睡眠と休息・セルフケアの4つ
  • 間隔は空きすぎると積み直しになりやすいが、詰めて通う必要もない
  • だからこそ、ご自身の生活に合う間隔をご一緒に決めています

通う回数を先に決めてしまうより、ご自身のお身体の変化を確かめながら進めていくほうが、納得して続けていただけると考えています。整体院そのものの選び方については「どこに行けばいい?整体・整骨院・マッサージの違いと選び方」でもお話ししていますので、迷われている方はあわせてご覧ください。

「まずは今の姿勢がどうなっているのか知りたい」というところからで、まったく問題ありません。ご一緒に、今の状態を確かめるところから始めましょう。