自律神経とは?
自律神経とは、私たちが意識しなくても、呼吸や血流、消化など身体のさまざまなはたらきを24時間調整してくれている神経のことです。大きく分けて、交感神経と副交感神経の2つがあり、シーソーのようにバランスを取り合っていると言われています。
- 交感神経……活動しているときや緊張しているときにはたらきやすい。心拍や呼吸を活発にする方向に向かう
- 副交感神経……休んでいるときやリラックスしているときにはたらきやすい。心身を落ち着かせる方向に向かう
この2つのバランスがうまく切り替わることで、心と身体の調子が保たれやすくなると言われています。
自律神経のバランスが乱れると現れやすい変化
自律神経のバランスが乱れると、次のような変化を感じる方がいると言われています。
- 睡眠が浅くなりやすい(寝つきにくい、途中で目が覚めやすい)
- 呼吸が浅くなりやすく、息苦しさを感じることがある
- 胃の調子が気になったり、食欲が落ちやすかったりする
- 疲れが取れにくく、だるさを感じやすい
思い当たるところはありませんか? こうした状態が長く続くと、気持ちの面でも余裕がなくなり、さらに不調を感じやすくなる――そんな悪循環につながることがあります。だからこそ、こうなる前に身体を整えておくことが大切だと考えています。
猫背の姿勢が自律神経のはたらきに関わると言われる理由
猫背の姿勢が続くことが、自律神経のはたらきに影響することがあると言われています。よく挙げられるのは、次のような点です。
1. 呼吸が浅くなりやすい
背中が丸まった姿勢では胸まわりが縮こまり、肺がふくらみにくくなるため、呼吸が浅くなりやすいと言われています。呼吸が浅いと、心身ともにリラックスしにくくなることがあります。
2. 血のめぐりが滞りやすい
姿勢が崩れると首や肩まわりの筋肉が緊張しやすく、血のめぐりが滞りやすくなると言われています。特に首まわりのこわばりは、身体全体の重だるさにつながることがあります。
3. お腹まわりが圧迫されやすい
背中が丸まると、お腹まわりが圧迫されやすくなります。その状態が続くと、消化のはたらきが気になりやすくなることがあると言われています。
4. 気持ちの面にも影響しやすい
うつむき気味の姿勢が続くと、気分まで沈みやすくなる――そう感じる方は少なくありません。気持ちの落ち込みは身体のこわばりにもつながりやすく、姿勢と心はお互いに影響し合っていると考えられています。
このように、猫背の姿勢と自律神経の乱れは、お互いに影響し合いながら、慢性的な不調につながっていくことがあると言われています。だからこそ、どこか一点だけでなく、姿勢と生活習慣の両面から少しずつ整えていくことが大切です。
無理なく整えていくための3つのポイント
ここからは、ご自身でできる整え方の基本を3つお伝えします。どれも一度に完璧を目指す必要はありません。できるところから少しずつで大丈夫です。
1. 姿勢を意識する
整えやすい姿勢の目安は、横から見たときに耳・肩・腰・くるぶしがゆるやかに一直線に近づき、肩の力が抜けて胸が軽く開いている状態です。座るときは椅子に深く腰かけ、スマホやパソコンの画面はできるだけ目の高さに近づけて、背中が丸まりにくいように意識してみましょう。自分の姿勢のクセは自分では分かりにくいものです。当院では、写真をもとにしたAI姿勢分析を参考データのひとつとして活用し、今の姿勢の傾向をご一緒に確認しています。
2. ストレッチや軽い運動を取り入れる
胸まわりや肩甲骨まわりがこわばると、姿勢を保ちにくくなりやすいと言われています。次のような動きを、無理のない範囲で続けてみてください。
- 両手を後ろで軽く組み、胸をゆっくり開くストレッチ
- 肩をまわしたり、肩甲骨を背中の中央に寄せたりする運動
痛みが出るところまで頑張る必要はありません。「気持ちいい」と感じる範囲を、毎日少しずつ続けることが大切です。
3. 深い呼吸を習慣にする
ゆっくりとした深い呼吸は、気持ちを落ち着けることにつながると言われています。深く呼吸をするときはお腹まわりの筋肉も自然と使われるため、姿勢を保ちやすくなる面もあります。仕事や家事の合間、寝る前や起きたときなど、ふとした瞬間に「ゆっくり吸って、ゆっくり吐く」を取り入れてみましょう。
生活習慣もあわせて見直す
姿勢を整えることと同じくらい、毎日の生活習慣も大切です。次のような点を、できるところから見直してみましょう。
- 睡眠のリズムを整える(できるだけ同じ時間に寝て、起きる)
- ウォーキングや軽いストレッチなど、適度に身体を動かす
- 栄養のバランスを意識した食事を心がける
- 趣味やリラックスする時間をつくり、ストレスをためこまない
すべてを一度に変える必要はありません。「これならできそう」と思えるものを、ひとつ選んで始めてみてください。
まとめ
今回は、姿勢改善の専門家として猫背と自律神経の関わりについてお伝えしました。要点を整理します。
- 自律神経は、呼吸・血流・消化などを無意識に調整してくれている
- そのバランスが乱れると、睡眠の浅さや疲れやすさを感じやすくなると言われている
- 猫背の姿勢は、呼吸・血のめぐり・気持ちの面を通じて自律神経のはたらきに関わると考えられている
- 姿勢の意識・ストレッチや軽い運動・深い呼吸を、無理のない範囲で続けることが大切
- あわせて、睡眠・運動・食事・ストレスといった生活習慣も見直していく
姿勢と身体の調子は、小さな習慣の積み重ねで少しずつ変わっていきます。「今日からできることをひとつだけ」――そんなペースで大丈夫です。なかなか変化を感じにくいときや、自分の姿勢のクセが分からないときは、どうぞお気軽にご相談ください。今の状態をご一緒に確認しながら、無理のない整え方を考えていきましょう。